集団からひとつ抜けて波に乗るには

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こんにちは。メディカル翻訳者&メディカルライターの山名文乃です。 

集団からひとつ抜けて波に乗るには、何が必要でしょうか。

昔の私なら「スキル」あるいは「実力」と答えていたと思います。もちろん実力も大事です。大事には違いないのですが、最近はすこし考え方が変わってきました。いまの私なら「信用」と答えるかなと思います。

  • 「あの人なら殆ど手直しが要らない品質で納品してくれる」
  • 「あの人なら何日か前に余裕をもって納品してくれる」
  • 「あの人なら丁寧に下調べしてくれる」
  • 「あの人なら的確な訳文で読みやすい」
  • 「あの人なら誤訳も訳抜けもなくて安心」

これが信用です。

どの世界でも経験者が重宝されるのは、実績に裏打ちされた信用があるからです。新人さんには、ポテンシャルはあっても、信用と呼ぶに足るものは未だありません。大抵のお客さまは即戦力を求めるため、ポテンシャルを評価してもらえる機会は滅多に巡ってきませんが、信用は、貯まれば貯まるほどその他大勢から抜け出しやすくなると思います。

そして信用を早く貯めるにはコツがあります。私なりに3点挙げると、

になるかと思います。

では一つずつ見ていきましょう。

初速を上げる

まず「初速を上げる」ですが、とくに初期、信用が貯まるまでは安易に断らないほうがよいと思います。もちろん、あり得ないような酷い条件には毅然と対応すべきですが。

駆け出しの方に多いのが「まだ自信がない」と遠慮してしまうパターン。本当にもったいないと思います。お客さまは「○○さんなら」と期待を込めて声をかけてくださっています。怯む気持ちをおさえて、成長のチャンスと捉えて受けて立ったほうがよいと思います。

ある程度の経験がある方で、スケジュールだけが問題で引き受けられないのであれば、「○○日以降であればできます」のように代替案を提示するとよいでしょう。その仕事に興味があってぜひ担当したい、という熱意もお伝えするとよいかもしれません。どうしても待てない大至急の案件は別として、言ってみると案外、納期を調整してくださる場合もあります。仮にその時はご縁がなくても、次回は余裕を持って依頼してくださるなど今後の繋がりも期待できます。

常に相手の期待値以上

これは当たり前すぎて、とくに付け加えることもないのですが...趣味と仕事は違うので、あくまでお客様視点でいることが大切です。

産業翻訳では「読者になじみのある言葉を使う」「お客さまの文体に沿う」ことが求められますが、初学者さんの多くは「私はこう思った」と言って自分のやりやすさや読みやすさを優先する傾向にあります。ですが翻訳者は黒子です。訳文に自我を出すべきではないと私は思います。好きなように文章を書きたいのなら、作家やエッセイスト、ブロガーを目指せばよい話です。

ですから、まずは自分の「思い込み」を疑い、自分が思う「読みやすさ」を疑ってみる。こう書くと簡単なようですが、実際には、なかなか難しいようです。

対策としては、その分野でお手本とされる良質な文章を大量にインプットする習慣をつけるとよいでしょう。一朝一夕で身に付くものではありませんが、根気よく続けると基礎体力も瞬発力も上がってくると思います。

言い訳をつくらない

これも大事ですね。自分に言い訳をしない。とくに品質に対しては逃げ道をつくらない。

たとえば、トライアル試験で「医学や薬学の知識がないので心配ですが、頑張ってみます」などと言われたら、評価者はどう思うでしょう。納品時に「今回は家のことで忙しく不備もあると思いますが、宜しくご査収ください」などと書かれていたら、お客さまはなんと思うでしょうか。不安に感じるどころか、次から依頼するのは止めようと思うのではないでしょうか。これでは、信頼や信用どころの話ではありません。

同じ理由で、たとえ同業者同士であっても「バックグラウンドがないから」「駆け出しだから」などと言うのは、すぐに止めたほうがよいと思います。無意識であっても謙遜のつもりであっても、伏線を引き続けることで、それが甘えや逃げにつながります。言葉は言霊です。後ろ向きな言い訳は控えて、前向きなことばを口にする癖をつけたほうがよいでしょう。

背景知識がなくて心配なのであれば、心配しなくても済むようにしっかり勉強して、理解力を養えばよいだけのこと。忙しいなどと後からこぼすくらいなら、最初から請けないか、限られた時間の中でも工夫して全力を尽くす。「いまの自分にできることはすべて出し尽くした」と胸を張って言えるような仕事をすればよいと思うのです。

 

さて、今年のゴールデンウィークは普段どおり仕事もしますが、半分くらいは勉強に充てる予定です。それでは令和も引き続き、よろしくお願いいたします。

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