こんにちは。メディカル翻訳者&メディカルライターの山名文乃です。
「英訳も出来たほうがよいのでしょうか?」
これもよく訊かれる質問のひとつです。
学習者さんの多くは和訳のほうを好む傾向にあります。英訳には苦手意識があって、やりたくないと思っている方も大勢いらっしゃいます。
全員ではありませんが「英訳も出来たほうがよいのでしょうか?」という質問の裏に「和訳だけで済むならそうしたいのだけど、それでも大丈夫でしょうか?」といった心理が見え隠れしていることもあります。
フリーランスを目指すか、社内翻訳者を目指すかで少々異なりますが、私は「就職を希望するなら両方できたほうがチャンスが広がります」とはお伝えしています。知る限り、医薬分野の社内翻訳者で和訳だけでOKというポジションは極めて少ないと思います。英訳も和訳も両方できる人や、ネイティブレベルの英訳ができるなど、突出している人が重宝される傾向にあるようです。
一方フリーランスは、和訳だけ、英訳だけ、和訳も英訳も両方といった具合に、自分の好きなようにキャリアデザインできます。レートの高低や需要の多少には差がありますが、ずっと和訳だけでやってきたという在宅翻訳者さんのほうが多いと思います。
英訳に限った話ではありませんが、いくらレートが高めで需要も多いからといって、気が向かない、興味が持てないのであれば、無理に勉強する必要はないと思います。「○○のほうが需要がある」「○○のほうがお得」といった思惑は、興味でも何でもないので、長続きしません。自発的に学びたいと思わない限り、どんなに時間とお金をかけても結局は身につかないのです。得意をのばしたほうが効果的な場合もあります。
確実に結果を出すための要因があるとしたら、まずは能動的に意欲を持つこと、山あり谷ありの長い長い道のりを踏み外さずにコツコツと歩み続けることではないでしょうか。そもそも、本当に興味があってやりたいと思っているなら、このような質問をするまでもなく、とっくに行動に移しているはずです。
あくまで、ご参考まで。