がんばらずに頑張り抜くには

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こんにちは。メディカル翻訳者&メディカルライターの山名文乃です。

新年ということで「今年は○○を頑張りたい」と目標を立てている方も多いと思います。その中には「翻訳者になりたい」と思って学習に励んでいる方も多いでしょう。

一方で、昨年の目標を一体どれくらいの人が達成できたのかも気になるところです。達成できた方は、自分を褒めてあげましょう。問題は、達成できなかった方。とくに「去年は○○だったから、まぁ仕方ない」と思っている方は要注意です。上手くいかないのには、残念ながら正当な理由があると思います。自分だけに特別なやむを得ない事情が生じたからではないと思います。努力が足りなかったからでもないと思います。

そこで今回は、どうしたら「やり遂げる」ことができるか、考えてみたいと思います。

気持ちに頼らない

まず大事なのは、頑張ろうと思わないことです。もっと言うと「気持ちに頼ってはいけない」と思います。

なかなか目標を達成できない人の言動を注意深く見聞きしていると、「頑張ります」「もっと頑張ります」と決意を語る人が多いことに気付かされます。ただ、残念なことに「頑張りたい」という、ふわっとした気持ちだけでは、長続きしないようです。本人としては頑張っているつもりでも、そのために必要な行動の量が圧倒的に足りていないことが、実際にはとても多いのです。事実「精一杯の努力をしています」という方に具体的にどれくらいの時間を学習に費やしているのか聞いてみると「家族の世話もあるので1週間に3~4時間ほど」ということがよくあります。

では、どうすればよいのでしょう。

答えは簡単で、自然に頑張りたいと思える環境、頑張らざるを得ない状況に身を置いて、意識せずとも頑張れてしまう自分に変わってしまえばよいのです。

方法は3つ

自分を変えるための方法は大きく3つあると思います。

1つは考え方です。プロの翻訳者になりたいのなら、第一線で活躍している一流の翻訳者がどのようにしてプロになったのかを調べます。フリーランス翻訳者として十二分に収益を上げたいのなら、大きく稼いでいる翻訳者や他の事業者の思想や行動を学び、取り入れるのです。私自身も、フリーランス翻訳者を志していた時代には、翻訳者として長く仕事を続けている方たちや、独立して成功している人たちの書籍やブログなどを読み漁っていました。また、できる限りセミナーなどに足を運び、直接お会いしたり、話をする機会を持つようにしました。時間があれば一流と呼ばれる場所に足を運び、そこで働く人々の仕事に対する姿勢を学ぼうと心掛けていました。

次には習慣です。何かを習得したいと思ったら習慣化してしまうのが一番です。例えば、私がローマ字入力に変わって「親指シフト」という入力方法を身に付けたときは、朝1通目のメールだけは「親指シフト」で入力する、という決まりを作り、毎日守っていました。正直、仕事が立て込んでくると、それどころではありません。投げ出したくもなりますし、無駄に思えるときもあります。でも、毎日続けました。また、学習期間中は、毎日必ず『The New England Journal of Medicine』などのPodcastを聴いてシャドーイングかディクテーションのどちらかを行う、と決めていました。これも1日も欠かさずコツコツと続けていました。

3つめは環境です。住む場所は、そう簡単には変えられない人のほうが多いでしょうが、可能であれば引っ越しをするのもありだと思います。交通の便が良い所を拠点としているだけで、覚えてもらいやすかったり、声がかかる機会が増えたりすることもあります。仕事を変えるのも良いでしょう。翻訳者を目指すのなら、いきなり翻訳職は無理だとしても、せめて関連業務に就く。英語力を上げたいのなら、少なくとも英語を日常的に使用する職場環境で多くの時間を過ごす。おそらく最も効果的なのは、少々荒っぽいやり方ですが、退路を断ってしまうことです(もちろん無理はしないでください)。新たにサロンやコミュニティに入るのも手軽で良いと思います。

最初に取り組むべきは

さて、この3つに優先順位をつけるとしたら、私なら、まずは考え方だと思います。

時々「環境が変われば考え方が変わり、考え方が変われば習慣が変わり、習慣が変われば...」のように環境を起点にした教えを目にしますが、私個人の感覚では「思考回路が先」です。

「頑張りたい」という気持ちは、美談にも聞こえますが、まるでアテにはなりません。それよりも、頑張らなくても最後まで頑張れるようにできる限りの工夫を凝らすほうが、ずっと建設的だと思います。

以上、月並みですが、参考になれば幸いです。

それではまた。

登壇報告&2019年振り返り

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こんにちは。メディカル翻訳者&メディカルライターの山名文乃です。

ブログ更新がすっかり滞っていましたが、セミナー登壇のご報告と、簡単に2019年を振り返っておきたいと思います。

JTF翻訳セミナーに登壇いたしました

まずは12月11日のJTF翻訳セミナーです。分野横断型と違って医薬の分科会であること、複数人のパネリスト形式ではなく単独での登壇、さらには繁忙期である年末開催もあって、そこまでの大人数は集まらないのではないか...というのが当初の見込みでした。が、蓋を開けてみれば、まるで想定外でした。最終的に85名前後の方がご参加くださったようです。何よりも反響の大きさに登壇した本人が一番驚いています。素晴らしかった、感激した、と声をかけてくださった方。宝の山のような情報をいただけた、と喜んでくださった方。改めて、参加者の皆さまと、準備に奔走してくださった事務局や理事の皆さまに、心より感謝申し上げます。

セミナーの前後や懇親会でも多くの方とお話できたと思います。その中で「私も昔、似たような状況で悩んでいたなぁ」と懐かしく思い返すこともありました。仕事を受注できるようになり嬉しい反面、依頼はできるだけ断りたくない、でもそうすると勉強の時間が減ってしまう...と悩んでいる方。特許翻訳と治験翻訳の両方を勉強していたけど片方に絞って頑張る、と決意を語っていた方も。

実は私にも、医薬翻訳と並行して特許翻訳も手がけていた時期があります。もともとは特許翻訳を学んでいたので。でも、やはり両立は大変でした。いずれはどちらかを選ばないといけないなぁと思っていたところに、図ったように明細書と医薬案件の依頼が重なり、私は医薬を選びました。以来、特許の仕事は請けていません。

また、駆け出しの頃の私は、調べ物にも訳出にも見直しにも、要するに何をするにも人の3倍も4倍も時間がかかるのが常でした。それでも自己投資の時間は削ってはいけないと強く思っていたので(決して褒められたことではありませんが)ひどい寝不足のまま勉強会やセミナーに参加するようなときもありました。

翻訳者や学習者の皆さんが抱えている悩みは、きっと誰もが通る道なのだと思います。活路は人それぞれでしょうが、「あのとき頑張っておいて良かった」と思える時期がやってくるはずですし、そうなれるように気を抜かない、手を抜かないことも大事なのではないかと思います。

当日の構成をどうするかは、随分悩みました。普段の授業と違って、さまざま立場の方が参加するセミナーです。勉強中の方、すでに医薬翻訳者として稼働している方、ベテランさんや他分野の翻訳者さん、法人で営業をしている方にも「勉強になった」「楽しかった」と思っていただけるよう、工夫をしたつもりです。後日の感想やアンケートを拝見する限りは、好評だったようで一安心しています。スライドには載せず口頭で話しただけの言葉を引用して「とても共感した」と書き送ってくださった方もいて、伝えたかった内容はきちんと届いたようでした。

2019年振り返り

では簡単に2019年を振り返っておきたいと思います。

今年は、スクール講師の仕事がなくなる分、純粋に自分の仕事に集中できるはず…でしたが、思いがけずも講師の仕事は続いていました。来年には、また新しい講座をお届けできる予定です。来春頃にはご案内できるかと思います。1年以上かけて準備を進めてきていますので、どうぞお楽しみに。

本業は、相変わらず医薬翻訳とメディカルライティングの2本立てです。直接取引の割合が増え、結果的に収益も順調に上がりました。伸び率としては今年が1番だったかもしれません。分野としては、新たに専門と呼んでもよいような疾患領域ができつつあります。3か年計画で来年にはひとつステージを上げることができるよう、引き続き経験値を積み上げていきたいと思います。

それでは、皆さまもどうぞ良い年の瀬をお過ごしください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。