アスピリンで大腸がんを予防できる日が来る?

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身近な薬が大腸がんの予防につながるかもしれない、そんな注目の臨床試験をご紹介します。

 

アスピリンが確実に効く対象者を明らかにします」というタイトルでJ-CAPP2試験代表者である石川秀樹氏のインタビュー記事が掲載されています。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201703/550288.html

 

※J-CAPP2は、厚生労働省の「革新的がん医療実用化研究事業」のひとつです。大腸がんの前段階であるポリープ(腺腫)の治療や、大腸がんの早期発見と予防を目指して、患者さんの協力のもとアスピリンを使った臨床試験が行われています。

 

アスピリンとは?

アスピリンというと頭痛薬のイメージが強いと思います。

 

別名「アセチルサリチル酸(acetylsalicylic acid)」とも呼ばれ、解熱剤や鎮痛剤、消炎剤として使われる医薬品です。バファリンやバイエルアスピリンなど薬局で購入できる市販薬(第2類医薬品)としても、おなじみですね。

 

アスピリンは量によって効能が違います

薬局で購入できる解熱剤としてのアスピリンは、ほとんどが高用量です。高用量とは、有効成分の含有量が多めのものをいいます。アスピリンではだいたい 1 日500~1000mg が高用量とされています。実際に、市販薬のアセチルサリチル酸含有量をみると、バファリンは 1 錠あたり600mg、バイエルアスピリンは 1 錠あたり500mgになっています。

 

一方、病院ではだいたい 1 日 50~150mgくらいの低用量アスピリンが処方されます。

 

低用量アスピリンの可能性

じつはこの低用量のアスピリンは、さまざまに可能性を秘めた薬でもあります。

 

血管が硬くなり狭くなることを動脈硬化といいます。動脈硬化になると、血のかたまり(血栓)ができやすく、血管が詰まりやすくなります。血管が詰まると、心筋梗塞や脳卒中の病気につながります。

 

低用量のアスピリンには、抗血栓作用、すなわち、血が固まるのを防ぐはたらきがあるとされてきました。血液をサラサラにする役割ですね。

 

ただ、最近では、低用量のアスピリンは心筋梗塞や脳卒中の予防にはあまり効果がないのでは?という研究結果もでています。

 

いま注目が集まっているのが、がんの予防効果です。

 

すでに他の効能を持つ薬を別の治療法 にも使おうという動きは「ドラッグリポジショニング」といいます。アスピリンのドラッグリポジショニングは「サイエンスZERO」や「林修の今でしょ講座」でも紹介されています。

 

日本人の死因第1位である大腸がん、予防効果は?

なかでも大腸がんの予防効果に着目し、研究を進めているのが、今回記事で紹介されている「J-CAPP2試験」です。

 

ただ注意していただきたいのが、全員が全員、アスピリンを飲めば大腸がんを予防できる訳ではありません。喫煙するかしないか、飲酒の習慣があるかないかで、効き目が変わってきます。もともと心筋梗塞になりやすい人と、そうでない人でも、効果に差があります。年齢によっては効き目より副作用に配慮する必要がありますし、遺伝的な要因も考えなくてはなりません。

 

こういった条件を精査し、どのような人がアスピリンを飲むと効果があるのか、明らかにしようというのが、今回の試験の目的のひとつです。

 

J-CAPP2試験については、以前に取材したサイエンスアゴラの講演でも触れています。

 

エムスリーという医療従事者専用サイトに掲載されています。

genome.m3.com